気分や大学生のぶろぐ

もう23なの

想像力のない女が嫌い

 

彼女は私の幼なじみである。

幼なじみとは別に。幼稚園も同じじゃないし、小学校も違うし、出身が同じわけでもない。

ただ価値観がおんなじなのだ。何が気に食わなくて、何に対して打ち込めて、何に感動して、何に傷ついて、何に元気をもらうとか。そういう。少し話しただけで結構な理解ができる、そんな仲だ。

中学高校と同じ部活に所属していたから理解が早くなったのだろうか。はたまた、末っ子だからわかりえるのか。もしくは本当に運命的に、感性が同じだったのか。

何にせよ、自分の感じたことに一緒になって加勢してくれるというのは、どうにも嬉しい。強くなった気がして、まるで私達が怖いものなんて何もないかのような、そんな唯一無二の存在みたいに思える。

私達はバイト先の同期についてネチネチと考察をし、世の中の不条理にふつふつと怒り、旅行の楽しさとやらを熱心に語った。そうやって過ごし、少しずつ乗り越えてきた

 

大学を卒業した。就職をした。

男の人とそういうこともして、女になった。

そして、無力になった。

私達にはちゃんと怖いものがあって、それを怖いと言えるようになるくらい、大人になった。

と思っていた。わたしは。

 

彼女は彼女であり、大きな社会の渦の中で彷徨っているのは彼女であり、そしてその彷徨いを持ち前の人間性とやらで乗り越える、ことを知っている。彼女は。

私はそうではないけれど、当然のように幸せになれると、彼女は信じて疑わない。それは心からの信頼というよりも、それ以上考えたとて何も生まれないのでそこで停止している、という現状ではあるが。

彼女はそうなのだ。信じたら疑わない。その強さがある。

いつのころか、ああ、浅はかだなと私は思い

きっとそのたびに彼女もまた浅はかだと感じていたのだろう。

 

私は想像力のない女が嫌いで

彼女はその無意味さゆえ求めない。